「鑑定評価」「鑑定評価」と「価格査定」はどう違う?

「鑑定評価」と「価格査定」はどう違う?

 

不動産の鑑定評価と価格査定は、同じようなものと思っている方も多いのですが、不動産鑑定士の行う鑑定評価と不動産業者(宅建業者)の行う価格査定は、全く別物です。

 

ここでは、鑑定評価と価格査定の違いを見てみましょう。

 

不動産鑑定士の鑑定評価と不動産業者の価格査定の違い

不動産の鑑定評価は、対象不動産の適正な経済価値を、誰もが納得できるように理論的に判定することです。そのため鑑定評価は、資格を有する不動産鑑定士が、詳細な調査と高度な分析によって行います。

 

一方、不動産仲介業者が行う価格査定は、売り出し価格を決めるために成約見込価格を推定することです。つまり、相場や過去の実際の取引事例を参考に「売れる価格」を予想することです。

「鑑定評価」と「価格査定」の決定的な違い

広い意味では、価格査定も不動産の評価ですが、鑑定評価と価格査定には決定的な違いがあります。

 

それは、鑑定評価によって算定された価格は、第三者や公的機関など対外的にも通用する高い証明能力があるのに対して、査定価格は、関係当事者(売主と査定した不動産業者)の間でのみ通用するものだということです。

 

だからといって、不動産仲介業者の査定価格は、精度が低いわけではありません。

 

経験と実績が豊富な不動産仲介業者は、現実に数多く不動産の売買を仲介しています。実際の取り引きで培われた相場観によって、おおむね妥当な成約見込価格を推定することができるのです。

鑑定評価は法令等で規定されている

鑑定評価は、不動産鑑定士が報酬を得て業として行うもので、法令等で厳密に規定されています。不動産鑑定士でなければ、不動産の鑑定評価はできません。

 

一方、不動産仲介業者の価格査定は法律上の規定はありません。価格査定は、仲介業務のサービスの一環として無料で行われるものです。

 

不動産の鑑定評価については、不動産の鑑定評価に関する法律で、次のように定められています。

 

「不動産の鑑定評価に関する法律」における鑑定評価の規定

  • 「不動産の鑑定評価とは、不動産(土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利)の経済価値を判定し、その結果を価額に表示すること」(第2条1項)と定義しています。
  • 「不動産鑑定業とは、自ら行うと他人を使用して行うとを問わず、他人の求めに応じ報酬を得て、不動産の鑑定評価を業として行うこと」(第2条2項)とされ、不動産鑑定士以外の者が鑑定評価を行うことは禁止しています(第36条)。
  • 鑑定評価の手法や鑑定評価書の記載事項についても法令等で厳密に規定され、不動産鑑定士は鑑定評価に法的な責任を負います(第39条・第40条)。

 

法律上、不動産鑑定士以外の者が鑑定評価を行うことは禁止されていますから、不動産業者の価格査定は、鑑定評価から除外されます。

 

不動産鑑定士の鑑定評価と不動産業者の価格査定は、法的に全く別物なのです。

まとめ

不動産鑑定士の鑑定評価は、法律にもとづいて行われますが、不動産業者の価格査定は、法的な規定は特にありません。

 

価格査定は、不動産業者の仲介業務のサービスの一環として無料で行われるものです。

 

個人が不動産を売却するときの不動産査定は、不動産仲介業者による価格査定で十分です。不動産鑑定士にお金を支払ってまで、鑑定評価を依頼する必要はありません。